美晴の部屋から咳き込みがきこえて、葵と向かうと、ベッドに蹲って咳き込みを耐えている美晴がいた。

俺はすぐ様発作止めの点滴の用意をする為に部屋を出た。


部屋へ戻ると、咳き込みは収まっていたものの、ぐったりしながらベッドにもたれている美晴のそばで、葵が支えていた。

呼吸がしやすい様に支えてくれていたんだな……

「みぃ、また発作起こると苦しくなるから、発作止め打っておくね」

俺は、そう声を掛けながら、点滴の針を美晴の腕に刺した。

「ひな兄、ありがと」

美晴は、目で苦笑していた。

「眩暈もあるって」

葵が、俺に言うと……

「まだ少しだから、へーきだよ」


「「………………」」

俺と葵は、思わず黙り込んでしまった。

「みぃ、眩暈辛くない?吐き気は?」

「まだ大丈夫」

葵が聞いてくれているから、きっと本当の事だろう。

俺はそっと美晴のおでこに手を当てた。


「ん……はぁ……」

美晴がため息を吐いた。

「みぃ?」

「ひな兄の手……気持ちよくて」

「そっか……葵、体温もう一回計って」

俺の渋い声に葵は、すぐ様体温計をはさんだ。