朝、起きるとひな兄がキッチンに立って、せっせと料理していた。

「ひな兄おはよ」

「おぅ、葵おはよ」

「何作ってるの?」

「あ、これ?お前たちのお昼ご飯だよ」

「え?俺たちの?」

「今日、動物園行くんだろ?売店とかだとみぃが食べれるもの少ないし、すぐに食べれる方がいいだろ?」

ほんとひな兄には頭が上がらない……

「ありがとう。俺も手伝うよ」

「よし、じゃぁ、おにぎり握ってもらおうかな。新用に小さめのも何個か作っといて。きっとみぃもそれ食べるだろうし」

「そか、新用には小さくしないとなんだね。確かにみぃも新と同じくらいで十分かも……」

「ま、量食べれるなら、それに越したことはないしな」

ひな兄は、きっと色々考えながら、作ってくれていたんだと思う。


2人で色々作り進めていると、珍しくみぃが自分から起きてきた。

「ひな兄、みぃ楽しみにしてたんだね」

「だろうな。自分から起きるなんて滅多にないからな……」

ひな兄は嬉しそうだった。


その後、新が早々とやって来て、一気に賑やかになったんだ。


新は、自分の意見をちゃんと言える子で、こうしたいとか、ああしたいとか、ハッキリ伝えられる。

今日も動物園で、俺ともみぃとも手を繋ぎたいと言ってくれた。