「みぃ、がんばって。ぼくみぃといっしょにどうぶつみたいな……だめ?」

あっくんの可愛いお願いは無下にできないね。

「駄目じゃないよ。頑張るね」

あっくんと私のやり取りを見て、ホッと息を吐いていたのは、葵だけじゃなかったみたい。

彩さんも安心した表情をしていたから……

心配掛けない様に頑張らなくちゃ……

小さなオニギリと格闘しながら、なんとか食べ終えれた。


「わぁ‼︎みぃがんばったね」

あっくんが私に抱きついてきた。

「あっくんの為だもの。頑張ったよ」

頭を撫でると、あっくんは嬉しそうにしてくれた。


「みぃ、薬忘れちゃ駄目だよ」

「はぁい、ありがとう」

葵から、受け取った薬を水で流し込んだ。


しばらく休憩も兼ねて、ゆったりした時間を過ごしていた。



「あおい〜っ‼︎ ぼくひつじさんにえさあげたいっっ‼︎」

あっくんが、葵に向かって駆け寄った。

「よ〜し、じゃぁ、あげに行こうか。みぃと彩さんはまだゆっくりしてていいからね。俺が、新に付き添うよ」

「じゃぁ葵くん、よろしくね」


小さい頃は動物園は、行けなかった場所の一つ……

今でもマスクは必須だけど、行けるようになったんだ。

でも無理は禁物だから、あっくんのペースが丁度良いんだけどね。

葵と一緒にえさをあげているあっくんを見つめる。

二人とも無邪気にハシャギながら餌をあげている。

葵に子どもが出来たら、きっとこんな感じなんだろな〜。

………今日は、なんだかあっくんとお出かけしてるからか、いつもしない思考に戸惑う。