「吸ってー吐いてー」

そう言いながら聴診する。

さっきよりは喘鳴は少し治まってる。

「うん。点滴前よりは治まってるよ。でも無理するとぶり返しちゃうから暫くは無理は禁物ね。家事も一つだけにしておいて」

俺の言葉にバッと顔を上げたみぃ。

「そんな、驚いた顔してもダメ。みぃは自分でも分からないうちに無理しちゃうんだから」

そう言うと、しゅんと肩を落としたみぃ。

「1週間後にもう一度診察に来て?それで良くなってたら家事解禁するから」

「……わかった」

無理できない期間を提案しておかないと、ほんとすぐに無理しちゃうからな。

「はい。これで診察は終わり。喘鳴を抑える薬と発作止め一つだけ出しておくね。発作止めは飲んだら1週間経ってなくても必ず受診する事。それが守れるなら今日は帰っていいよ」

「はーい」

俺の提案に嫌な顔一つせず頷いたみぃ。

基本素直なんだよな…

「つーくんありがとう」

そう言って立ち上がったみぃ。

「あ、言い忘れるところだった。帰りはタクシーで帰るように」

葵からの伝言だからな。

「葵から?」

流石みぃは鋭い。

「これは主治医としての言葉、主治医命令だよ」

「……分かった」

こう言うとしぶしぶ頷いたみぃ。

きっと歩きかバスで帰るつもりだったんだろう。

葵もみぃの事良く分かってる。

「気をつけて帰るんだよ。お大事に」

「はーい」