ひな兄と由奈さんの披露宴は、とっても温かくて、サプライズもあって、私はいつも以上にテンションが上がっていたみたい。

それでも、この気持ちの高揚は決して嫌な感じではなく、幸せをお裾分けしてもらっている感じ。

披露宴の最中は、テンションが上がっていたのでダルさも重さも感じなかったんだけど、披露宴が終わって、会場から出ると少しずつ実感する体の重さ。

無理してたつもりはなかったんだけどな……

だって、席を立ったのは、ひな兄と由奈さんの近くに行ってお写真を撮った時と、サプライズでひな兄と退場した時だけ……

その他は葵やあっくん達とお喋りしたりしながら席に座って過ごしていた。

それなのにどうして……

葵に手を引かれて、ロビーにあるソファーに一緒に座ると言われた一言。

「脈が早い」

って、診察されてないのにどうして分かるのか、驚いて葵の顔を見ると、繋いでた手を持ち上げられた。

あ……いつの間にか手首に変わってる……

葵の心配性にはビックリ。

それでも葵の心配性と勘は正しくて……

葵が側を離れてて少しすると体の怠さと重さが
増してきた。

抱き上げられているのも分かっているんだけど、動くのも辛くなってきて、急激に悪くなる体調に自分でも驚く。

少しすると、かな兄の声が聞こえてきて……

葵と一緒にドレスを脱がせでくれた。


葵の診察も最初の頃は、少し恥ずかしかったけど、毎日されると恥ずかしさもなくなってきて、葵の声や手付きは安心するものに変わってきていた。

そんな葵の優しい診察を終えると、気づけばまた抱き上げられていて、きっと病院に向かうんだろうな……

入院…なのかな……