「みぃちゃん、またゆっくり会おうね」

「うん、朱里ちゃんお仕事頑張ってね」

「ふふ、ありがと。みぃちゃんと葵くんも待ってるからね」

そう言って朱里さんは帰っていった。


「ちょっとここに座ろうか」

ロビーのソファーを見つけたので、みぃの手を引いて、そこに座らせて少し休憩する事にした。

「ありがと」

みぃは俺に手を引かれるままにソファーに座った。

手を引きながら隣に座り、脈を確認する。

「朱里さんってお仕事何してるの?」

みぃに勘付かれ無い為に、朱里さんの言葉から気になった事を聞いてみた。

「ジュエリーショップのデザイナーさんだよ」

「ジュエリーショップかー」

「城之内家は、みんなそこで色々お世話になってるんだって」

「色々って?」

「結婚の時や、記念日とかにね」

「なるほど!」

いい事聞いた。

みぃは、自分の事や親戚の事をあまり話さないし、いずれ、かな兄とかに聞こうと思ってたんだ。

「朱里ちゃんと話すとね、色んな世界を知れて楽しいんだよ。私の事も疎まないし、優しいお姉ちゃんだよ」

「確かに、頼りになるお姉さんって感じだね」

みぃはにっこり頷いた。



ほんわかした雰囲気を出しているみぃだけど、脈が早い。

今日1日、みぃには負担がかかっていたのかも知れない。

「みぃ、ちょっと脈が早いんだけど、辛くない?」

俺の言葉に驚いた顔をしたみぃ。

「もぅ……葵、いつの間に?」

「今だよ」

そう言って、繋いだ手を指差す。

「お式の間はあまり気にならなかったんだけど、終わってホッとしたのかな。ちょっとだけ……」

「ん?」

「体が重いかな……」

怠いって事だよな。

「分かった。ちゃんと教えてくれてありがとう。休憩出来る部屋があるか聞いてくるから待てる?」

「うん」

みぃは小さく頷いた。