「もう、ほんとビックリしちゃった」

そう言いながら席に戻ってきたみぃは笑顔だった。


「みぃにもサプライズだったね」

「うん、由奈さんのお母さんだけじゃなかったんだね。でもひな兄と少しだったけど、一緒に過ごせて良かった」

みぃは嬉しそうに言葉を紡いだ。




その後の進行も滞りなく進み、気がつけば終わりの挨拶だった。

ひな兄もみぃのお父さんも大勢の人の前なのに緊張している様子もなく、スラスラ喋る姿は格好良かった。


みぃも途中で体調が悪くなる事もなく、無事に終わった。

「みぃ、葵。今日は、来てくれてありがとな」

「みぃちゃん、葵くんありがとう」

ひな兄と由奈さんがお見送りの為に会場の外に出ていて、声をかけてくれた。

「由奈さん、ひな兄。とっても素敵なお式だったよ。私も参加できて良かった」

「お二人共おめでとうございます。俺も参加できて楽しかったです」

「またお家でゆっくりお話しようね」

由奈さんの言葉に俺とみぃは頷いた。




「みぃちゃん、葵くん」

後ろから声を掛けられて振り向くと朱里さんだった。

「朱里ちゃん。今日は、来てくれてありがとね。無事に終わって良かったよ」

「ひなくんと由奈さんも素敵だったけど、みぃちゃんと葵くんも素敵だよ」

「へ?私達?」

「ふふ。やっぱり気づいてなかったんだ。結構注目の的だったよ」

「視線は感じてたけど、いい視線かは分からなかったから……」

みぃの言葉に、式が始まる前のおばさんの言葉が思い出された。

「あの人なら大丈夫。おじさんが元旦那さんに迎えに来てもらうよう連絡入れてすぐに来てくれたから」

「元旦那さん?」

「離婚協議中だったみたい」

「そうだったんだ…それでよくみぃに偉そうな事言えたよね」

「自分の状況分かってなかったんじゃない?元旦那さんが迎えに来たら嬉しそうだったし」

「……理解できてないとか、手強いね」


俺と朱里さんは頷き合った。