その後は、特にみぃに絡む人も居なくて、チャペルへ移動する時には一緒に行動した。

チャペルには大きなステンドグラスがあって、とても厳かな空間だった。

みぃもここで結婚式をするのかと聞いたら、そうだと迷いなく教えてくれた。

でもその後の否定する言葉は聞きたくなくて、続きの言葉を遮って俺の言いたい事を伝えたら、嬉しそうに微笑んでくれてホッとした。

結婚式ってなんだか人を幸せな気持ちにさせてくれるなー。




暫くすると生演奏が流れ始めて、新郎のひな兄がバージンロードを歩いてきた。

白のタキシードを着て格好いい。

いつになくひな兄が緊張してる。

牧師さんの前まで来たひな兄は、今歩いてきたバージンロードと扉を見つめる。

扉が開くと由奈さんと由奈さんのお母さんが居た。

ゆっくり由奈さんがしゃがむと由奈さんのお母さんがベールを顔にかかかる様にした。

「あれ、ベールダウンって言うんだよ。何かママとの最後の時間って感じだよね」

みぃが、こっそり教えてくれた。

時間にすれば数十秒だけど、その中にギュッと大切な思いが詰まっている気がした。

ベールダウンを終えると由奈さんは、由奈さんのお父さんと腕を絡まて、由奈さんと由奈さんのお父さんがゆっくりバージンロードを歩く。

きっと、一歩ずつ歩くたびに今までの思い出が蘇ってるんだろうな…


ひな兄が待つ祭壇の前まで来ると、由奈さんのお父さんは

「日向くん、娘を頼んだよ」

そう言って、由奈さんをひな兄に託す。

「はい」

ひな兄は由奈さんと腕を絡めて頭を下げた。


結婚って、自分達だけじゃ出来ないんだなってって、恋愛とは別ものなんだなと、感じる。