「お疲れ様です。お先に失礼します」

俺は仕事を終えて司さんの診察室まで急いだ。


コンコンコン

「はーい」

「葵です」

「待ってたよ」

そう言って司さんはドアを開けてくれた。

「みぃ、起きてます?」

「ぐっすり眠ってて、少し前に起きたところだよ」

司さんの視線の先には、ベッドに腰掛けているみぃがいた。

「葵、お疲れ様」

「みぃも点滴頑張ったね。体調どう?」

「お家でいた時より呼吸もしやすくなったよ」

「良かった。じゃぁお薬貰って帰ろうか」

「はーい。つーくん、ありがとう」

「いいえ。もしまた体調に変化があったら教えてね。とりあえず結婚式までは無理せずゆっくり過ごすんだよ?」

「うん」

「ありがとうございます。また判断仰ぐ事があるかも知れないですけど、よろしくお願いします」

「了解」

そう言って診察室を出た。