「あれ、葵どうしたの?」

「あぁ桜。みぃがちょっと体調不良で病院に来るから迎えに行ってくる」

桜がナースステーションから声を掛けてきた。

「みぃ、体調悪いの?」

「自己申告出来るようになってきてから、大分落ち着いたけどね。今日は呼吸がしづらいって言ってて」

「みぃ、何もなければいいけど、もうすぐひな兄と由奈さんのお式でしょ?」

「あぁ。だからみぃもいつもよりも気をつけてたと思うんだけどね」

「そうだよね。酷くならないといいけど……何かできる事あったら言ってね」

「ありがとう」

少し話して桜と別れた。

傍から見れば、過保護や心配性だと思われると思うけど、みぃに対しては、心配しすぎるくらいで丁度いい。

そんな事を考えながら玄関まで迎えに行く。

みぃは俺を見つけると、申し訳なさそうな表情をした。

また迷惑掛けたと思ってるんだろう。

誰も迷惑だなんて思ってないのに………



「ケホケホッ」

手を引いて病院の中に向かう途中に聞こえてきた咳。

「その咳だね?」
 
「うん。いつもは吸入したら落ち着くのに……」

「おかしいと思えることが大事だよ」

みぃを安心させたくて、頭をポンポンと撫でた。

そのまま司さんの所に直行する。

「治るかな……」

みぃの呟きが痛いな……

「参加できるように治そうな」

みぃの不安を煽らないように言葉を選ぶ。

「あおい……………」

みぃはそう呟いて黙ってしまった。