みぃが朝から体調が悪いと伝えてくれた日は、ひな兄と由奈さんの、結婚式を2週間後に控えた日だった。

その頃には、みいも自分の体調と向き合う事が上手くなってきていて、酷くなる前に対処出来るようになる事が殆どだった。


司さんに確認して、吸入で様子を見ることになり、今日は『家事はなし』とみぃに伝えて出勤した。

「あ、司さん。おはようございます。今日は朝からすみませんでした」

朝一で司さんを探して、お礼を伝える。

「葵おはよ。構わないよ。連絡くれて良かった。みぃはあれから落ち着いた?」

「発作ではないので、みぃも息がしやすくなった様でした。ただ音は喘鳴が少し聞こえたので、前触れかも知れないです」

「そうか……分かった。みぃには体調おかしいと思ったら連絡貰えるように伝えてる?」

「はい。俺でも司さんでも、いいから連絡してって伝えてます」

「じゃ、お互い連絡きたら伝えると言うことで」

「はい、よろしくお願いします」

みぃも結婚式に参加したいだろうから、無理はしないはず。

その思いが届いたのか、お昼前にみぃから連絡が入った。

俺は予め、指導医の澤井先生にみぃの様子を伝えて、途中に抜けるかも知れない事に了承を得ていた。

『みぃちゃん、伝えられる様になってきてるね。良い事だ』

澤井先生の言葉聞いたらみぃも喜ぶだろな。

タクシー会社に連絡を入れて、迎えに行く準備をする。

「澤井先生、みぃから連絡があって病院に向かうように伝えたので、時間見て迎えに行っても大丈夫ですか?」

「みぃちゃん、酷そう?」

「いえ、朝に吸入したのに咳が出る、との連絡だったので発熱とかはないと思います。ただ、会ってみないと分からないですが」

俺の苦笑に頷いた澤井先生。

「確かに自分の目で見てみないと分からないよね」

「はい。自分の目で確かめておきたいです」

「うん、じゃぁ行っておいで」

澤井先生からの許可も貰えたので、小児科を後にする。