そろそろ本格的に専門をどこにするのか考えなくてはいけない時期になってきた。

ここの病院の先生達はどの科の先生でも受け入れてくれそうな感じがしている。

悩める俺たち研修医は時間を見つけて集まることにした。

「おーい、葵。久しぶりだなー」

久しぶりに見る仁の姿。

「同じ病院に居てもほんと会わないな俺たち」

楓と会うのもほんと久しぶりだ。

「二人とも久しぶり。ごめん、待った?」

「大丈夫、今来たとこ」

時間があまり作れない俺たち三人が集まれた場所は、病院内のカフェだった。

「最近どう?」
楓からの一声で

「まぁ、大変だけど充実してるかな。葵は?」

仁はすぐに答えた。

「俺も充実してる。最近は専門どこにしようか悩んでるけどね。二人はもう決めた?」

「俺は救急にしようかと思ってて。小林先生から教わること沢山あるし」

楓はもう決まってるみたいだ。

「俺は内科かなー。佐々木先生も色々教えてくれるし、内科に来ないかって声かけてくれたんだ」

「佐々木先生、仁とタイプ似てるよな。日向先生も頼りになるしね。葵は?」

「興味があるのは小児科なんだ。救急も候補に上がってるんだけど、みぃと一緒にいれる時間確保したいから、まだ悩み中。小児科も忙しいだろうけどさ」

「小児科かー。葵向いてると思うよ。小さい子相手でも動揺しないよな」

「確かに、小児科で働いてる葵、自然だもんな」

楓と仁からの嬉しい言葉。

以前のかな兄と彩さんの助言と、二人と話した事で、俺の中で専門にしたいと思っている所がハッキリと分かった。




小児科に決めよう