「ただいまー」

今年のお正月は、親族が実家に集まるという事だったので、新を連れて一足先に実家を訪れた。

「あら、彼方とあっくんじゃない。いらっしゃい。彩さんは?」

「おばぁちゃま、こんにちは。ひー、みぃー、あそぼー」

新は俺と繋いでいた手を離して、家の中へ入っていった。

「彩はまだ体調万全じゃないんだ……気分転換にどうか誘ったんだけど、気を使わせるだけだからって」

「そう……でも親戚も集まるし、彩さんもゆっくり出来ないものね。今回はどんな様子なの?」

「やっぱり吐き悪阻だけど、新の時よりはまだマシだと思う。動けているし…」

「二人目になると、あっくんが居るからどうしても無理しちゃうのよね。それじゃぁ今は一人でいるのしら?」

「彩のお母さんに来てもらうか聞いたんだけど、一人の方がゆっくりできるって言ってたから、今は一人だよ。連絡マメに取るつもり」

「わかったわ。私で出来ることがあれば、いつでも言ってちょうだいね」

「ありがとう。助かる」

「可愛い孫とお嫁さんの為なら何だってするわよ」

ほんと頼りになる母親だ。

「彼方が早く来てくれて助かるわ。お手伝いお願いね」

「もちろんだよ。そのつもりで早目に来たから」

使えるものは使う。

流石抜け目ないな。