最初は大勢での集まりだから、みぃが無理しないか心配だったんだけど、みぃの笑顔が沢山見れてるからみんなと会えて良かったなって思う。

チラチラとみぃの事を見ながら、中原さんのお手伝いをしていると、

「ねぇ、君。誰?さっきから、みぃちゃんのことチラチラ見てるでしょ」

突然、先程みぃが朱里ちゃんと言っていた人に話しかけられた。

「あ、えっと…」

今ここで俺の事を話してもいいのかと思って戸惑っていると、

「朱里。葵はみぃの彼氏。今日は親戚の集まりだから気を使って裏方に回ってくれたんだよ」

かな兄が、どこからかやってきて答えてくれた。

「えーっっ‼ みぃちゃんの彼氏? 凄いイケメンじゃんっ‼」

いきなりテンションが上がった朱里さん。

朱里さんの声の大きさに集まっていた親戚の皆さんの視線が一気にこちらへ……

「…っっ‼ かな兄、俺、どうしたらいい?」

「大丈夫。母さんか父さんが説明するから。葵は何も言わなくていいよ」

かな兄が耳打ちしてくれて、ホッと息を吐いた。



「こんなに早くバレるとは」

そう言いながら俺のそばにやって来たおじさん。

「彼は、谷口葵くん。美晴の幼なじみで彼氏だ。今は日向と婚約者の由奈さんと美晴と葵くんの4人でこの家で暮らしてるんだ」

「お仕事は?」

「医者だ」

「まぁ、凄いわね」

「ご家族は?」

「ご両親とお兄さんが一人」

淡々と答えるおじさん。  

この光景デジャブだ。