「あ、みぃちゃんじゃん。明けましておめでとう。今年は起きてても大丈夫なの?」

みぃより年上っぽいお姉さんが、みぃを見つけて駆けつけてきた。

「あ、朱里(アカリ)ちゃん。うん、今年はへーき。パパとママもいてくれてるし」

「久しぶりにみんなで迎えれるの嬉しいね」

少しだけ心配していたけど、杞憂に終わった。

城之内家の親族には、みぃを疎ましく思う人は居ないみたいだ。

次々にやってくる親戚の多さに驚いた。

「葵さん、驚かれましたか?」

「あ、はい。こんなに沢山いたなんてビックリです。みぃと一緒に暮らして、親戚の話なんて、全然なかったから」

俺は今日はお手伝いに参加する事にした。

「美晴様は、葵さんとは平等に居たいんでしょうね」

そう呟いたのは中原さん。

実は中原さんは、城之内家で執事として働いていた人だったらしい。

今回の招集で、中原さんの名前が上がった時は驚いた。

城之内家の本家から、離れた場所に住むことになったみぃ達の家族を心配して、その時執事として働いていた中原さんがコンシェルジュとして送り込まれたらしい。

でも、それを知らなかったのは、俺とみぃだけで、他のみんなは知ってたみたい。

でも言われてみれば…

『何か困ったことがあれば、ナカハラに言うんだぞ』

ってかな兄やひな兄に言われていた。

その時、呼び捨てなんてちょっと偉そうだなって思った事を思い出した。

そりゃ、こんなに大勢執事が居てる暮らしをしてたら、子どもでもそうなるのかも知れないな…