今回のパパとママの帰国で、私は初めてママとお料理を作った。

私にお料理を教えてくれたのは、かな兄とひな兄だったから、凄く新鮮で楽しい時間だった。

「みぃちゃん、手際がいいわね。流石私の娘」

そう言いながらママは新たな1品に取りかかる。

「かな兄とひな兄に教えてもらったからかな」

「彼方も日向も手際いいもんね」

「うん。だけど、ママとお料理するのも楽しい」

なかなかない機会に私のテンションは知らず知らずあがっていたみたい。

「みぃ。そろそろ休憩しよ」

葵がひょっこりキッチンを覗いた。

「え?……でもまだ……」

「うん。わかってるけど、いつもより長い時間してるから、一回休憩しよ」

葵の言葉にママと視線を合わせると、

「ママも楽しくてついつい長い時間作業しちゃったわ。一度休憩挟みましょ」

…………やっぱり私の体はお荷物だ。

ママに手を引かれながら思った事。

それでも、葵の言葉は正しくて……

ソファーに座った途端にやってくる疲れ……

「美味しい料理を作るには、休憩も必要よね」

そんなママの言葉を聞きながら襲ってくる睡魔に逆らえなかった。



『葵くん、ストッパーになってくれてありがとね』

『いえ…みぃ自身気づいてないことも多いので、みぃに嫌われないか心配です』

『大丈夫よ。みぃちゃんは葵くんと事頼りにしてるから』

ママと葵で、こんな話をしていたなんて知らなかった。