「「おかえりー」」

美晴と母さんの声が揃って聞こえた。


玄関で母さんと美晴が出迎えてくれた。
 
「初めまして。日向くんとお付き合いさせて頂いている、前園由奈です。同棲を許可していただいてありがとうございます」

「日向の母の美緒です。二人ともいい大人だし、みいちゃんの傍で力になってくれる人なら大歓迎よ。さ、こちらへどうぞ」

そう言って母さんはリビングへ案内した。

由奈を見ると母さんの言葉にホッとしている様だった。

俺は由奈の頭をポンポンとして、手を繋いでリビングへ向かった。

リビングに入ると父さんと美晴がソファーに座っていた。


「初めまして。日向くんとお付き合いさせて頂いている前園由奈です。お会いするより前に同棲を認めて頂いていてありがとうございます」

「初めまして。日向の父親の圭吾です。部屋は沢山あるからね。由奈さんが来ても困らなかったかな?」

「あ、はい。大丈夫でした」

「美晴とも仲良くしてくれてるみたいだし、お礼を言うのはこちらの方だよ。日向と美晴と仲良くしてくれてありがとう」

父さんの言葉に少しウルッとした由奈。

きっとまさかの言葉だったんだろうな……

「い、いえ。私はひなくんとみぃちゃんと葵くんと過ごせる時間が好きなので、私の方こそありがたいです。あ、あの……これ、つまらないものですが……」

そう言って買ってきたケーキを手渡した由奈。

「わざわざありがとう。美緒、由奈さんから頂いたよ」

受け取ったケーキを、母さんに手渡した父さん。