あの事情聴取の様な会話はあれ以降なかった。

城之内家に嫁ぐと言うことはそんなに簡単な事じゃないのかも知れない。

でもかな兄やひな兄が選んだ人だから、信頼したいと言う気持ちもあるんだろうな………




「驚いた?」

みぃと二人でソファーでくつろいでいる時に、ふいに隣から聞こえた言葉。

「ん?何が?」

「ママとひな兄のやりとり」

「はは。確かに驚いたけど、おばさんもひな兄も真剣に話してたから、必要な事なんだなーって思ったよ。俺もいずれ色々聞かれるのかなーとか思ったりして」

苦笑しながら答えると、おばさんがニコニコ笑いながら答えてくれた。

「あら、葵くんの事はみぃちゃんから聞くまでもなく、ママもパパも分かってるから大歓迎よ」

「ほんとですか?」

「もちろん」

いつの間にかみぃの両親からお許しがもらえた。

「幼馴染みの特権だなー」

ひな兄が笑いながら頭をごしごししてきた。

「うわ、ひな兄やめてー」


「確かにそうかもね。葵くんはいつもみぃの傍に居てくれたから。見極める必要はないわ。もちろん喜ばしい事だし、受け入れる気持ちでいるのよ?でもその為には必要な事もあるってこと」


やっぱり城之内家は厳しいなー………

でも俺もいつか一員になりたいと思う。

その為にも早く一人前にならなくちゃな………