みんなそれぞれ雑談していると、


「あっ」

桜の小さな声が聞こえた。

桜の視線の先を見ると、新とみぃが絵本を読みながら眠ってしまっていた。

「ふふ。この二人の関係も見守りたくなる関係だよね」

叔母と甥っ子。

普通の関係だけど、みぃにとっては初めて出来た自分より小さい、守らなくちゃいけない存在な訳で………

嬉しくて、可愛くて仕方ないはずだ。


「みぃちゃんが既に癒しの存在なのに、そこに新くんも加わるとほんとヤバイくらい可愛いね」

前園さんにとってもみぃは癒しの存在なんだな………

「美晴と新が一緒になると怖いものなしだよな」

日向も共感出来るらしい。


「妹と息子がいい関係になってくれるのは嬉しいよ。新、寝ちゃったし、俺はそろそろ帰るよ。葵、みぃベッドに運んであげて」

彼方は新をそっと抱き上げた。

「うん、かな兄気を付けてね。彩さんにもよろしく」

「おぉー。じゃお先にー」

彼方は新を抱き抱えて帰っていった。


「俺もみぃ、部屋に運びますね」

葵はみぃをそっと姫抱きにして、リビングから出ていった。

「いつ見ても様になるよね。あの二人」

桜の呟きには懐かしさが含まれていた。

「昔から見慣れた光景だよな」

「私、学生の頃、二人の関係が羨ましかったんだよね。みぃには頼れる優しい存在が近くにいて羨ましかったの。でも、私にも、頼れる存在が出来たのはみぃのお陰だもんね」

俺の顔を見てにっこり微笑む桜は、最近悩ませていた問題の答えを見つけてくれた気がした。