「葵は、正直まだあまり考えてないだろ?」

葵に聞くと

「そうですね………俺自身が一人前にはなれていないので、まだ先ですね。いずれはとは思ってますけど」

「葵はまず、どの科にするのかを決めないとだな」

「はい。そろそろ決める時ですね」

葵の目からは、強い意志が伝わってきた。

「葵の中ではもう決めてるんだろ?」

彼方の言葉に曖昧な表情をした葵。

「まだまだ悩んでますけど、候補はあります」

「内科かー?俺と大和さんは葵なら歓迎だぜ」

日向の言葉に苦笑する葵。

「呼吸器内科は?俺的には来て欲しいけど、みぃの担当にはなれないから微妙かな………」

葵の様子を見て本音を伝えた。

「………………こんなこと、相談してもいいんですか?」

「「「当たり前だろっ‼」」」

 思わず3人で声を揃えてしまった。


「希望としては、医者になるきっかけを、作ってくれたみぃの主治医になりかったんです。でも、近い人は主治医になれないって知って………同じ科にいるとみぃの状態はすぐに分かるだろうし………でも司さんは教えてくれるだろうし、拘らなくてもいいかなーとも思ったり………正直迷ってます」

「「「………………………」」」

葵の考えを黙って聞く俺たち。

「他の科で考えるとなると、興味があるのは………今のところは小児科ですかね」

「マジで!!俺と彩。葵は小児科がいいんじゃないかって話したんだっ‼」