「…いっ。みぃっ」

桜の声にハッとする。

「あ………ごめん。何?」

にっこり笑うと

「考え事してたみたいだから………。大丈夫?」

「あ、ううん、何でもないの。大丈夫」

慌てて二人に何もないと伝える。

「みぃちゃんも何か悩み事?」

由奈さんの言葉に思わず肩がピクッと上がる。

「えっと………ううん、何もないよ」

二人は幸せな報告をしてくれたのに、その雰囲気を壊したくない。


「みぃちゃん。我慢しなくていいのよ?」

「でも………幸せな雰囲気壊したくないもん」

「もぉー。そんなこと気にしなくていいの。私だって、さっき由奈さんに相談したんだよ?みぃも何かあるなら言ってごらん?」

いいのかな………


二人を見るとコクンと頷いている。






「私。葵に迷惑しか掛けてないなーって」




「「………………」」

私の言葉を聞いて二人は顔を見合わせている。



「んー。どうしたらそう思うんだろう」

苦笑する桜。

「だって………葵は私の傍に居てくれて嬉しいけど、葵にとって私の傍に居ることは、本当にいいことなのかなって………。私は葵に何も出来てないよ………」

「………………みぃちゃん、あのね。葵くんがみぃちゃんの傍に居たいから居てくれるんだと思うよ?みぃちゃんと一緒にいて、辛そうな顔見たことある?」

「………………ううん、ない」

「私は家でのみぃちゃんと葵くん見てるけど、みぃちゃんのこと大切に思ってるんだなーっていつも思ってる。大切じゃなきゃ、好きじゃなきゃ一緒に暮らそうなんて思わないよ?」