「ふふ。桜ちゃん………今のままでいいのよ。山内先生は桜ちゃんの事大好きよ。私お仕事中でもよく山内先生から桜ちゃんの話聞くから。それくらい桜ちゃんのこと可愛くて仕方ないんだと思うわよ」

由奈さんのアドバイスを聞いて、ホッと息を吐いた桜。

桜とつーくんの仲の良さは、見ているだけで伝わってくるから心配ごとなんて無いと思っていた。

本人にしか分からない不安や葛藤があるんだね。

「由奈さん、ありがとうございます。司とはずっと一緒にいたいとは思っていたんですけど、実際そうなったら、どうしたらいいのか分からなくて………そう思いだすと、司がモテることとかも気になっちゃって………」

「うんうん、分かるよ。私もひなくんもモテるから、色々気になっちゃっうもん。だけど『ひなくんが一番に思ってくれているのは私なんだ』って思うようにしたの。そしたら不安も少しは軽減されたよ」


桜と由奈さんは似たような悩みを抱えていた。



私は………


葵に対してどういう思いがあるんだろう………


いつも当然のように一緒に居てくれる。

医者になるって決めてから、一緒に居られる時間が少ないからって一緒に住むことにしてくれた。

私の些細な異変にも気付いちゃう。

これらは、葵が私にしてくれていること。


私は?私は葵の為に何が出来ているんだろう………


………………………


思い返してみても、迷惑しか掛けてない………



こんなんじゃ捨てれちゃうよ………