かな兄とひな兄から幸せな報告をしてもらって、私の心はポカポカと暖かかった。

みんなが私の退院に合わせて集まってくれたことには驚きだったけど、凄く嬉しかった。



みんなでワイワイ食べて楽しい時間はあっという間だった。

食べ終わると自然と男性陣、女性陣と別れた。

「由奈さん、おめでとうございます」

桜が嬉しそうにさっきのひな兄の報告を祝福している。

「桜ちゃんありがとう。元々結婚を前提に付き合い始めたから、私の中ではいつでも覚悟は出来ていたの」

そういう付き合いだったんだ………

知らなかった二人の関係。

「でも、由奈さん。城之内家の決まりのこと知ってますよね?」

そう、かな兄と彩さんの時にも伝えられてた決まり。

城之内家にお嫁に来る人は、専業主婦か城之内コーポレーションで働くかの二択になっている。

「えぇ、聞いているわ。私は日向くんと居れることが大事だから、仕事には拘らないわ」

そっか………

由奈さんと病院で会えなくなるんだ………

「でも日向くん、少し考えがあるって言っててね。今度ご両親が帰ってきたらお話するみたい」

「私は由奈さんと病院で会えなくなるのは嫌だな………。由奈さんに助けてもらってばかりだけど、病院で由奈さん以上に信頼できる人はまだ居ないから………」

そう、私にとって由奈さんは病院では居なくてはならない存在なんだ。

「みぃちゃんにそう言ってもらえて嬉しいわ。出来れば私もずっとみぃちゃんのこと見守っていたいけどね」