荷物をまとめ終わって病室を出る。

「………暫くは入院はいいかな」

ポツリと呟かれたみぃの言葉に苦笑する。

「ハハ。俺も辛そうなみぃはあまり見たくないな………お互い油断せずに気を付けような」

「そうだね」

今回は忙しくてすれ違いの生活が招いた結果だった。

俺もみぃ本人も異変に気づけなかったんだ。

みぃはもともと自分の体調に疎いから、だからこそ気を付けなきゃいけなかったのに、辛い思いをさせてしまった。

みぃと俺は家路に帰る車の中で、最近のお互い事を思い返して話し合った。

「でもね、みぃがしんどくて俺に頼って電話をくれたこと、凄く嬉しかったんだ」

「へ?どうして?仕事中に電話して迷惑じゃない………」

「ん?全然迷惑なんかじゃないけど?」

「お仕事中断させちゃってるんだよ?」

「仕事の代わりは誰でも出来るけど、みぃが頼りたいって思える相手になる人の代わりは誰でもいい訳じゃないでしょ?俺がその存在になれたことが凄く嬉しいんだ」

「私の中で葵はとても大きな大事な存在だよ。代わりなんていない」

「ふふ、そうなれたことが凄く嬉しい」

「私………また迷惑掛けちゃうと思うけど………これからもよろしくね」

「もちろん。いつでも頼って。みぃの力になれることが俺の頑張る力の源だから」

俺の言葉を聞いたみぃはほっぺたを紅くして微笑んだ。

その微笑みはとても綺麗で………

俺の心に刻まれた。