インフルエンザと肺炎にかかり、体力が消耗してしまったみぃは、体力を戻すかの様にすぐに眠ってしまった。

「もう少し一緒に頑張ろうな」

そう言いながらみぃの手をギュッと握る。

コンコンコン…

「はい」

「鎮痛剤持ってきたよ」

そう言って戻ってきた司さん。

「ありがとうございます。あれ?桜は?」

「小児科の子が泣いてて、泣きやませてる」

「桜ももう一人前の看護師ですね」

「子ども達は、あの明るさに救われるだろうね」

そう言いながら、鎮痛剤を注射した司さん。

「司さんも桜の明るさにやられた一人でしょ?」

「はは、そうだな。桜といると元気がもらえるよ」

「ふふ、桜の事、よろしくお願いしますね」

「そういう葵もみぃのことお願いね」

「もちろんです」

「体調が落ちついたら、退院も視野に入れようと思ってるんだ。食欲完全に戻るまで入院はみぃにとったら酷だろうし、家の方がいい気もするからね」

「ほんとですか?」

「但し、ある程度は食べれるようにならなくちゃダメだよ。じゃないと体力も食欲も戻らないからね」

「それでもみぃ、喜ぶと思います」

みぃの嬉しそうな顔が目に浮かぶ。

「みぃより葵の方が嬉しそうな気もするけどな」

「そりゃ、家にいてくれる方が嬉しいですもん」

「ま、それもそうだな。じゃぁ、退院に向けて頑張ろうな」

「はい」