「少し脈が速いけど、頭痛が強くなってきた?」

「……うん」

「そっか、鎮痛剤入れようか?」

「ほしいかな…」

普段なら、鎮痛剤や薬はあまり使いたくないと拒むんだけど、我慢する体力も今はないので、お願いした。

「よし、じゃ用意するから待っててね。桜、一緒にお願いしていい?」

「はぁい」

つーくんと桜は仲良く出て行った。

「仲良しだな」

「職場でも会えるのっていいね」

「そうだな。でも俺は家で待っててくれる方がいいかな~」

「??そうなの?」

「みぃを見て癒されたいってこと」

「っっ!!」

一瞬の間に葵にキスされてしまった。

「早く家に帰ろうな。俺も一緒に頑張るから」

「うん。お家で葵を待てるように頑張るね」

「少し休もうか。眠れそう?」

「……手、握ってくれる?」

人肌が恋しくなっちゃった。


「ふふ、もちろん」

そう言って葵は私の手をそっと握ってくれた。

安心するぬくもりによってスーッと眠ってしまった。



葵が優しい表情で見守ってくれていたことを私は知らない。