つーくんに頭痛を我慢していたことがバレてしまって、『痛い時はちゃんと、言わないと長引くだけだ』と言われた時に、昔つーくんに諭された出来事を思い出した。


あの頃は、自分の体調を素直に言う方が迷惑だと思っていたから。

だから、つーくんは私の診察や治療は大変だったと思う。

私は私で我慢出来る位なら大丈夫と強気だったから………

今ではあり得ない事だけど、そう思わせてくれたのは、つーくんの存在が多い。

葵と付き合う様になってから、更に打ち明けることも増えて、迷惑かけちゃってるんだけど、つーくんは判断しやすいと笑って言ってくれる。

そんな主治医のつーくんには感謝しかない。



インフルエンザと肺炎のお陰で落ちてしまった食欲と体力が戻るのはいつになるんだろうと不安はあるけれど、頼りになる主治医と彼氏が居てくれるから、何処か安心している私もいる。

甘えっぱなしで申し訳ないけれど、頼ることを覚えてしまった私は、二人の存在に甘やかされている。

二人以外の人も私には甘い事が多くて………

ほんと申し訳ないな。

そんな私の気持ちの中、ほほ笑む葵を見るとホッとする。

葵は…つーくんもだけど、甘やかせてくれるんだけど、駄目な時はきちんと叱ってくれるから……

私からすると、ありがたい存在なんだ。



さっきから強くなっている頭痛のせいで、体のだるさも増してきた。

「っっ……」

思わず息を詰める。

「みぃ?」

私の異変にいつも敏感に反応する葵。

「少し聴診するね」

つーくんも私の変化に反応してしまった。