『みぃ、忘れ物ない?』

『うん、大丈夫。それにもし忘れてても、かな兄かひな兄が届けてくれるでしょ?』

『はは、それもそうだな。じゃ、俺は先に荷物運んでおくね』

そう言い、先に病室を出た彼方。


『みぃ、退院おめでとう。治療を頑張ったからこそだよ』

『つーくん、お世話になりました。今回は迷惑掛けちゃってごめんね』

『迷惑ではないけど、ビックリしたかなー。それに、みぃが自分の体調を教えてくれないから、俺も治療方針決めるのに手こずったからね………』

『………ごめんなさい』

『謝ってほしい訳じゃないけどさ、体調を隠さず教えてくれていたら、今回の入院も長引かなかったかも知れない』

『………ほんと?』

『そりゃぁ、患者さんから体調を教えてくれた方が、治療も進めやすいからね』

『私、これから正直に言う‼ だから、つーくん早く治して‼』

みぃの必死さに思わず笑みがこぼれる。

『それじゃぁ、これから診察でも大丈夫やへーきで済まさないって約束出来る?』

『出来るっ‼ そうするっ‼』

『俺も、みぃの気持ちに寄り添うように努力するから。お互いに、いい関係を築こうな』

『うんっ‼ 改めて、つーくんこれからもよろしくね』

『こちらこそよろしく』

そう言いながら病室で握手を交わした俺とみぃ。


この事は、俺とみぃだけの秘密だ。




この時のことがきっかけで、きちんと自分の体調を伝えてくれるようになったんだ。