『葵くん、ほんと見つけてくれてありがとう』

『いえ、もともとランニングがてらお見舞いに行くつもりだったんです。だから公園を通ったってのもあるんですけど………そしたら、公園にみぃに似ている娘が居て、驚きました』

『俺たちは、みぃは病院から出ないだろうと思っていたから、ほんと驚いた。探していても見つからなかっただろうし………』




みぃの突拍子もない行動には、この頃から振り回されていな………


結局、院内を抜け出たことによって、昼間には落ち着いていた発熱をぶり返して、テスト期間もあの話を聞いてしまったので、しぶしぶ許可を出したけど、外出許可という形の為、保健室で受けて、病室へ帰るという手段になった。

当然、テストを受けて帰ってきて、熱を出して、また学校へ行って………を数日繰り返したことによって、奪われた体力は底をつき、テストが終わってから、みぃは一週間起き上がれなかった。

『つ、くん………』

ぐったりするみぃからの小さな言葉。

『ん?どうした?』

『ごめ、ね。勝手な、こと、ばっかり、言って………やな患者、だよね』

『そんなこと思ってないよ。みぃは、今自分の体と向き合って治すことだけ考えよう。お説教は、復活してからにするよ』

俺の言葉を聞いたみぃは、目を見開いて、微笑んだ。

『がんばって、治すね……』

そうして自分の体調と向き合ったみぃは、ゆっくりだけど、快方へ向かっていった。