準備を終えてみぃの元へ行くと、スヤスヤとはいかないけど、みぃは眠っていた。

『彼方。みぃ、寝ちゃった?』

『あぁ、辛そうだったから眠らせた』

『そっか、ありがとな』

『長引かないといいんだけど………』

『喉が赤いから、熱も上がるだろうし、油断は禁物だな』

そんな会話をしながら、点滴の処置を終えた。

『俺、外来戻るけど、彼方側にいられる?』

『いや、俺ももう少ししたら、仕事なんだ』

『じゃぁ、看護師に伝えておく。連れて帰る?熱が下がるまで入院でもいいし』

『連れて帰りたいけど、ずっと側にもいれないし熱が下がるまでは入院の方向がいいかな』

『了解。じゃぁ、病室準備して運んでおくよ』

『よろしく』

彼方の言葉を聞いて、俺は点滴室から出た。


俺はナースステーションに寄り、声をかけた。

『すみません』

『あら、山内先生どうされました?』

看護師長が気づいてくれた。

『点滴室に城之内さんがいるんですけど、点滴終わったら、いつもの部屋へ運んでおいて欲しいんです』

『あら、みぃちゃん体調崩しちゃったのね………分かりました。お部屋整えてから運んでおきますね』

師長は小児科以外でみぃが小さい頃から頻繁に入退院を繰り返していることを知っている一人である。