『他に辛いところはある?』

自分から伝えてほしくて、いつも最後に聞いていること。

『………ううん、へーき』

やっぱり無理かー………

『………そっか今より辛くなったりしたら教えてね』

みぃは小さく頷いた。

『熱が高いから、解熱剤の点滴するね』

目眩を抑える点滴も入れておこう。

俺の思惑が伝わったのか、彼方が頷いている。

ほんと、みぃのこと溺愛してるよなー。

『点滴室まで移動できる?』

『おっと』

みぃは、頷きながら体を起こそうとしたけれど、ベッドに舞い戻りそうになった所を支えた彼方は、そっと姫抱きにして抱き上げた。

『かなにぃ………ごめんね………』

彼方の腕に抱かれたみぃから紡がれた言葉。

『今無理するときじゃないからね』

『………うん』

彼方は微笑みながら、みぃを点滴室へ運んだ。

点滴室のベッドに寝かされたみぃは、ぐったりしている。

早く薬を入れてあげたい。

『準備するから、少し待っててね』

そう声を掛けてから、準備を始めた。

『みぃ、眠れるなら眠っていいよ』

彼方の優しい言葉が聞こえる。

『………ん』