「今年のインフルエンザは手強いからねー。俺のとこにも沢山来てるよ……」

苦笑がこぼれる大和からは少し疲れが見えていた。

「大和、お前も無理するなよ」

「はは。ありがと。俺は元気が取り柄だからね。そう簡単には体調崩さないよ」

「そういう過信がダメなんだって。限界来る前に休めよ」

「そーだなー」

何とも安心し難い返事が不安を誘う。

「大丈夫だって。日向がいるから、俺は適当に休んでるから」

「日向が居たら無理は出来ないよな。あいつも彼方に似て、色々敏感だから」

「そーいうこと。じゃぁ、またみぃちゃんの病室に顔だしにいくねー」

ひらひらっと手を振りながら大和は廊下を歩き出した。



大和には日向がいるから、大丈夫か……

そう思うと、俺の不安も少しは軽減された。



みぃの病室へ訪れる。

コンコンコン……

「はぁい」

声が聞こえて、ドアを開けると、そこには葵と桜が居た。

「葵と桜も来てたんだな。みぃ、久しぶりの病室はどう?」

「やっと戻ってきたって感じ。ケホケホ…… あそこにいると、自分が重症なんだって思い知らされるもん……」

「まぁ、確かにそう感じちゃうよな」

「みんな心配かけて……ごめんね……」

「もぉ、みぃが元気になってきてるんだから、そんなネガティブにならないの。でもみぃ、ほんと良かった。ちょこちょこ顔出すからね」

「ふふ。つーくんに会いにでしょ」