「少しずつ良くはなってるんだけどね。すぐに完全復活は難しいよな……」

「でも、良くなってきてるので、安心してます。この夜の高熱がなくなれば、一般病棟ですよね」

「そうだな。高熱が出なくなって、状態が安定すれば、ここの出番は終わりだからね」

状態が安定すれば、ここにいてる患者さんは一般病棟へ移る。

HCU.ICUの患者さんが少ないのは良いことだ。

「樹さんには、美晴の事いつも助けてもらっていて感謝してます。樹さんがここに居てくれるから、俺や葵は安心して自分の患者さんと向き合えているんです」

日向にこんな事言われるとなんか照れるな……

「そんな改まって言われると照れるよ……でも、みぃちゃんの力になれているなら嬉しいな」

「後もう少し、美晴のことよろしくお願いしますね。俺、そろそろ休憩終わりなんで、医局に戻ります。何かあれば、連絡ください」

日向は微笑みながら、みぃちゃんの側を離れた。

「みぃちゃん……みんなみぃちゃんの回復まってるからね……一緒に頑張ろうな」

そっと頭を撫でると、みぃちゃんは安心した表情になった。



それから数日後。

みぃちゃんの病状は落ち着きを見せ始め、夜の高熱も下がってきたので、一般病棟に移ることになった。

今回最初から治療に関わっていたみぃちゃんの状態の悪さには驚かされる事ばかりだったけど、ようやく快方に向かう兆しが見えたことで、今回の俺の役目は終わった。

暫くは、まだ入院だけれど、本当に良かった。