インフルエンザで発熱が続いていたみぃの体力が一気に奪われているのは、目に見えてわかっていた。

だから、これ以上苦しんで欲しくなくて、今回は軽く済んで欲しいと願っていたんだけど、咳が出始めてきているのが不安だった。

レントゲンを終えたみぃに、少し休むように声を掛けると、ゆっくりと目を閉じたみぃ。

少しすると、なんとか眠れたみたいだ。


俺はそっと傍を離れた。

司さんの医局へ顔を出すとレントゲン写真を見つめる司さんがいた。

「司さん、これ……」

「葵……みぃのだよ」

「咳出始めてましたしね……」

「胸も痛いって言い出してたから、原因突き止めなきゃと思ったけど、心配してた通りだったよ」

レントゲン写真には、大きな白い影があった。

「「肺炎」」

俺と葵は顔を見合わせた。

「熱下がってきてたけど、また上がるだろうな……抗生物質追加しとくよ」

「司さん、お願いします」

「あぁ。毎回覚悟するんだけど、みぃはほんと手強いなー……」

司さんは苦笑する。

「みぃの場合、長引くからあまりなってほしくないんんですよね……」

「そうだな……最近体調良かったから少しは期待したんだけどな……」

でも、なってしまったものは仕方ない……

後はみぃが元気になるように極力傍に居たいな……