「司さん、急いでもらうように手配しました」

そう言いながら戻ってきたのは葵。

「ありがと。レントゲン撮る了承得たから、今から撮りに行くよ。葵が運ぶだろ?」

「勿論です」

そう言ってひょいと私を持ち上げた葵。

私の体に付いてる点滴や管はつーくんが持ってくれている。

「……みぃ、今回のインフルエンザで少し軽くなっちゃったかも」

「…………たべ、れてない、もんね……」

体調崩してまた体重へっちゃた。

そう思うと悲しくなって、葵の胸に顔を押し付けた。

「また一緒に戻そうな」

葵は何も言わずに励ましてくれた。

小さく頷くと、涙が溢れた。

「グス……ケホケホ、ケホケホ」

「泣かない泣かない。大丈夫だから」

つーくんも頭をポンポンと撫でてくれる。


「さ、みぃも、辛い中頑張ってるし、さっさと終わらせような」

レントゲン室へ着くと、葵は近くの椅子に座らせてくれた。


「準備できたから撮るよ」

葵とつーくんは二人がかりで、レントゲンを撮ってくれた。

レントゲンはすぐに終わり、またさっきの病室へ戻る。

「みぃ、体怠いのに頑張ったね。後はゆっくりしてていいからね」

つーくんはそう言葉を残して、出ていった。

「みぃ、少し休もう。移動して疲れたでしょ?」

葵の優しい言葉にベッドに体を預けたまま目を閉じる。

葵は手を握ってくれていて、その手に安心したからか、体力が尽きたからなのか……

私はいつの間にか眠ってしまっていた。