「ケホケホッ……」

「ちょっとその咳怪しいなー。喘息も気になるし……どこか痛いところある?」

「……から、だ」

「熱高いもんなー。熱が下がったら痛みも軽減されるんだけどな……胸とか喉とかはどう?」

「……へーき」

痛いけど、我慢できるもん。

「……んー、我慢できなくなったらちゃんと言うんだよ」

あ、つーくんには我慢してることバレてる……


「樹、みぃは痛いとかは限界まで言わないから、痛いと訴えてきたら、相当ヤバイってことだから」

「……わかった。みぃちゃん攻略するのはなかなか難しいな……」

いっくんは苦笑いだ。


「とりあえず熱下げよう。見てる俺らも辛いよ」

つーくんはそう言いながら頭を撫でてくれた。

それが安心出来て、フッと意識が落ちた。



『みぃちゃん……辛いはずなのに泣き言言わないんだな』

『あぁ、みぃは泣き言は殆ど言わないから、周りにいる俺らが汲み取ってあげないとなんだ。樹、大変だけど見捨てないでやってな』

『見捨てるなんてしないよ。大事な友達の妹だ。俺からすれば妹と一緒だよ』


つーくんといっくんの暖かい言葉を私は知らない。


結局この日に熱は下がらなくて……

知らないうちに血液検査されていた。