「……あ、つい」

体の燃えているような暑さで、目が覚めた。

目が覚めた途端、襲ってくる全身の怠さと重さ……

怠すぎて体が思うように動かなくて、視線をさ迷わせる。

酸素マスクもついてるし、ここいつもの病室じゃない……


「水枕替えますね」

そっと頭を持ち上げて水枕を替えてくれた看護師さん。

「……っ、ふぅ」

「あれ?起きてる?城之内さん?」

看護師さんの呼びかけに、ゆっくり目を開ける。

「良かった……どこか辛いところはありませんか?」

「…………あつ、いです」

「熱が高いですからね。アイスノンも替えますね」

身体中を冷やされて、少し暑さは軽減された。



「みぃちゃん、目が覚めたって聞いたよ」

いっくんが傍に来てくれた。

「い、くん……」

「うん、インフルエンザだったよ。熱高くて辛いでしょ……解熱剤も入れてるんだけど、なかなか下がらないんだ……」

いっくんに辛い顔させちゃってる……

「ご、めん、ね……」

「っっ‼ みぃちゃんが謝ることじゃないよっ‼」

「……でも」

辛い顔させてるのは私だもん。

「樹、みぃ、起きた?」

あ、つーくんの声。

「あぁ……さっき目が覚めたよ」


「みぃ、樹から聞いたかな?インフルエンザだったよ。しんどいと思うけど一緒に頑張ろうな。熱が下がりきるまではHCUにいることにしたから。熱が下がったらいつもの病室に戻ろうな」

「うん」

つーくんのいつもと変わらない表情と、言葉がありがたい。