「やっぱりか……」

くっきりと陽性反応が出てるのはインフルエンザ。


「まぁ、この季節だしな。今まで無事だったのが凄いよ」

樹さんは納得している。

「とりあえず、インフルの薬で楽にしてあげよう」

「樹……みぃのインフルは手強いぞ」

「え?」

「普通の人と同じ治療じゃなかなか回復しないってこと。
俺も毎回手こずってる」

「司でも手こずるなら、手強いな」

「熱が落ち着くまでは入院の方が安心かな。みぃの場合、合併症とか引き起こすから、油断はできないよ」

「そっか……じゃぁ、心してかからないとね」

そう言ってくれた樹さんは心強い存在だ。


「葵、俺と司で診ておくから、仕事戻っていいよ。何かあれば連絡入れる。入院は、多分いつもの部屋かな。仕事終わったらそばに居てあげて」

俺、仕事の途中だった。
 
樹さんに言われるまで忘れてた。

「そうします。樹さん、司さん、よろしくお願いします」

「了解。葵も頑張れよ」

「葵、連れてきてくれてありがとう」

樹さん、司さんからの言葉をもらって、俺はその場を後にした。





小児科病棟に戻ると、澤井先生に出会った。

「葵、みぃちゃんどうだった?」

「高熱で、グッタリしてました。行かせて下さってありがとうございました。検査の結果、インフルでした。今は、樹さんと司さんが診てくださってます」

「そっかー。早く良くなるといいな」

ほんと早く楽にしてあげたい。