「どうしよ……」

私は目が覚めた途端、予想外に襲ってきた悪寒と怠さに驚きを隠せなかった……

ここ最近調子のいい時期が長かった事もあり、冬と言う季節なのに油断していたのかも知れない。

調子のいい日が続く前は、家に誰もいないと言う日はなかったんだけど……

葵もひな兄も由奈さんも、ううん病院全体が忙しい日が続いてたみたいで、ここ数日私以外誰もいないと言う日が続いていた。

もちろん、夜には誰かは帰って来てくれるんだけど……


夜までこの家には私一人……

いつもなら何ともないことだけど、体調が悪くなった今、その事が私を不安にさせる……


とりあえず、体を起こしてみる。


クラリ…… ポス……

「~っっ‼‼」

目眩も襲ってきて、ベッドに舞い戻ってしまった……

今、体を無理に動かすのはやめよう……

もう少ししてから……

あまり回らない頭を働かせて、出来ることはしなくちゃ……

ベッドに寝ながらでも手を伸ばせばそれなりに物が届く。

とりあえず体温計……

悪寒がするから、熱が上がりそうだけど、今の体温も把握しとかないと……


ピピ、ピピ、ピピ……

38.3

体温計の表示を見て冒頭の言葉を呟いた。

「どうしよ……」