「みぃ……みぃっ」

体を揺すられて意識が浮上する。

「……あ……さくら……おかえり」

にっこり笑うと

「もう、こんなとこで寝てたらダメじゃない。風邪引いちゃうよ」

桜は困った顔をしていた。

「大丈夫……少しだけだから」

そう言ったものの、数時間は寝てしまっていた。

「でも、司のそばに居てくれてありがとね」

「力になれて、良かった。簡単な物だけどお夕飯作っておいたから、よかったら食べてね。何か買ってきてたら、明日にでも回してくれていいから」

「うそ、みぃの手作り?嬉しい」

桜が喜んでくれたから、作った甲斐があったかな……

「つーくんの食べれそうな物も一応作っておいたから、一緒に食べてね。それじゃぁ、桜も帰ってきたし、私はそろそろ帰るね。つーくん早く良くなるといいね」

「みぃ……ありがとう」

「いつも、お世話になってるお返し。じゃぁ、バイバイ」

そう言ってつーくんの家を出た。


今回は少しは役に立てたかな……


いつも迷惑ばっかりかけてるから、力になれるときは頑張るんだ。



私の密かな決意は、誰にも届かないけど、私の胸の中で静かに燃え上がっていた。




次の日にはつーくんは無事に復活して、元気になったと桜とつーくんの二人から連絡があった。


長引かなくて良かった……


私は少しだけだるさを残しつつも、充実感で溢れていた。