ひな兄と由奈さんが付き合い出したとみぃから聞いて、自分のように嬉しかった。

周りの人の幸せを喜べるのは、自分自身が充実しているからだろうな……

充実な気持ちにさせてくれている人は、私にとっていなくてはならない人になっている。


そんな彼は少し前から顔色が悪い……

看護師の仕事を始めてから、人の変化に敏感になった気がする。

そろそろ司を止めないと、また倒れてしまうかも知れない……

看護師になる前に司が倒れるのを経験してから、身近な人が無理をして、倒れるのを未然に防ぎたいと思っている。




「司、朝だよー」

寝室へ司を起こしに行くと、珍しくまだ布団の中だった。

「ん……桜、おはよ」

いつもと変わらず答えてくれたけど、体調は悪そう……


「具合悪い?顔色良くないよ」

「んー……」

そう言ったまま黙り込んでしまった司。

きっと自分の今の体調でどこまで行けそうか考えてるのかな……

「……起きれそう?」

そう聞くと、いつもは無理矢理でも体を起こそうとする司だけど、今日はその気力がないのか動く気配がない。

「司?」

「……ちょっと無理かも……ヤバイな……」

「もう……少し前からも体調悪かったでしょっ!無理するからだよっ!」