由奈とお出かけの回数を重ねるごとに俺は由奈とずっと一緒にいたいと思っている自分がいることに気づいた。

今までこんな気持ちになった人はいなかった……

美晴の方が優先したい存在だったから……

美晴に葵という頼れる存在ができているからなのかも知れないけど。

でも、由奈といると穏やかな時間が流れて、暖かな気持ちになる。


俺は今日のお出掛けで、由奈との曖昧な関係をはっきりさせようと思っていた。


いい返事をもらえるといいんだけどな……







紅葉を堪能した後に夜景を見に行く予定だ。

まだ由奈には秘密だけど、喜んでくれたらいいな……

車で山道を走ると不安そうに俺を見つめてきた由奈。


「もうすぐだよ」

俺の言葉を聞いてホッとした由奈。


車を降りて由奈の手を引いて真っ暗な道を進む。

「着いたよ」

俺の言葉を聞いて、下を向いていた由奈は顔を上げた。

「……わぁ、綺麗ー」

喜んでいる由奈の顔が見れた。

伝えるなら今かな……

思えば告白なんて初めてかも……

今更ちょっと、緊張してきた。

でもこのまま曖昧な関係は嫌だしな……