車を降りて、歩いていくと辺り一面綺麗な紅葉で溢れていた。

「うわぁ……絶景」

「ほんと凄いな」

「こんな素敵な場所、ひなくんと来れて良かった。ありがとう」

「俺も由奈と来れて嬉しいよ。色々見て回ろうか」

そう言ってさりげなく手を引いてくれたひなくん。

こんな何気ない瞬間が好きだなー。

思わず繋いだ手を見つめた。



それから二人で歩き回り、様々な紅葉を見て写真を撮ったりもした。


「綺麗だったね。久しぶりに自然に触れ合ってのんびり過ごせてほんと楽しかった」

「病院はずっと室内だもんな。また来ようよ」

“また”があるのが嬉しい。

「うん‼また行きたいな」

私の答えを聞いたひなくんは、チラッと回りを見渡してから……




「チュッ」

素早く私の唇を奪った。


「もう、ここ外だってば~」

「へへ。誰も見てないか確認したから平気だろ?」

自分の顔が赤くなるのがわかった。

「そうじゃないって~」

でも、嫌じゃないって思ってる自分もいる。