結局美晴の熱は2日続いた。

その間に発作が、起きなかった事が何よりの救いだった。



「みぃ、おはよ。体調どう?」

「葵……おはよ。昨日よりマシになったよ。ありがとう」

二人の会話を聞きながら、診察の準備を進める。

「美晴、診察させてね」

俺の言葉に頷いて、きちんと準備をしてくれる美晴は、やっぱり素直だよな……


「熱も下がったし、大丈夫かな。他に苦しいとか辛いところある?」

「ううん、大丈夫」

そう言いながら、ゆっくり体を起こす美晴。


「みぃ、良かった……発熱はやっぱり辛そうだから……」

葵も心配だっただろうな……

「心配かけて ごめんね。 体調管理、どうして私は出来ないんだろう……気を付けてるんだけどな……」

美晴の切実な声だった。

「みぃ…… みぃが体調管理に気を付けてることはみんな分かってるよ。でもね、みぃは頑張りやさんだから、少しくらいなら大丈夫って思ったりしてるんじゃない?」

葵の言葉にたじろぐみぃ。

「え?」

「ちょっと体調悪いかもって思っても、大丈夫って思っちゃってない?」

「……そうかも。でも大丈夫な時もあるし」

「その大丈夫な時が特別だったとしたら?」

「…………」

「本当は大丈夫じゃないんだよ。体調悪いかな……と思ったら、大丈夫と思わず体を休めるようにしてごらん?」

「…………」

葵の言葉に黙りこむ美晴。