司さんの言葉に目を潤ませて、頷いた美晴。

基本的には素直なんだけどな~


いつもどこかで無理をしてしまうみたいだ。

「みぃ、準備出来たから腕まくってね」


司さんの言葉に素直に反応する美晴。

「じゃぁ、いくよ」

司さんは素早く点滴をしてくれた。

「暫くかかるから眠ってていいよ」

司さんの言葉を聞いて、ゆっくり目を閉じた美晴。

俺と司さんはそっと診察室を出た。



「これで少し落ちつくといいんだけど……」

「家では無理しないように見ておきます」

「日向、頼んだよ。解熱剤出しておくから、様子見て飲ませて」

「わかりました」

「また何かあったらいつでもいいから連絡入れて」

「ありがとうございます」



俺は残ってる仕事を終わらせるために、一度医局へ戻り、点滴が終わる頃に顔を出すと、まだ美晴は眠っていた。


「ほんと、自分の体大事にしてほしいな……」

思わず溢れた本音。


美晴には辛い思いをして欲しくないってのが本音だからなー。


そっと頭に手を当てて、早く治るように恒例のおまじない。

寝ている美晴を抱き上げて車に乗り込む。

目を覚ますかと思ったけど、覚まさなくて……

体は疲れていたんだなと実感する。

美晴を部屋に運び、ベッドに寝かせる。

すぐに良くなるといいんだけどな……