今回、美晴は司さんの配慮により入院せずにすんだ。

ただ、熱が結構あるので油断は禁物だけど、俺と葵とで家で看る事になった。

「美晴?」

「……ひな、にぃ……」

「今回は入院しなくて、大丈夫だって。もちろん家でも無理は禁物だけどね」

「よか、た。ごめ、ね……」

「熱あるからしんどいだろ。早く熱下げような」

美晴は俺の言葉に小さく頷いた。

「みぃ、ちょっと無理しすぎだな。仕事の量多かったらちゃんと言うんだよ」

「大丈夫、と思ったの」

「昨日までは大丈夫でも、今日は大丈夫じゃなかったでしょ?無理はダメ」

「……きをつけます」

この返事の仕方は気を付けないな……

美晴にとっては仕事が出来ることは嬉しい事だから、少しくらいは無理をするんだろう……

だからこそ、心配は尽きない……


司さんも美晴の思考は分かっているのか、苦笑している。

「まぁ、とりあえず今日は入院しない代わりに、点滴受けてね。明日も下がらなかったら点滴受けに来ること。それが入院しない条件」

「わかった」

「点滴室まで行けそう?」

「うん。いく」

そう言って体を起こそうとしたみぃだけど、

ポスン……

ベッドに舞い戻ってしまった……


「無理そうだな……ここでしようか」

「ごめんね……」

「大丈夫だよ。頑張ろうな」