「ありがとう、助かったよ。今から美晴の治療するんだけど時間も掛かるし湊は戻って大丈夫だよ。後は俺と葵で見るからね」

「いいのか?」

「連れてきてくれただけで十分。湊も仕事残ってるだろ?時間とらせてごめんな」

「いや。日向が謝ることじやないだろ?俺は気にしてないし大丈夫だから。みぃに無理しちゃダメだって伝えてて。あ、車で体温計ったけど37.9だったよ」

「ありがとう、助かるよ」


俺はここにいても何も出来ないし、今俺がやるべき事をやろうと会社に戻ることにした。

病院の玄関を出ると、松本さんが待機してくれていた。

「お疲れ様です」

「松本さん、待っててくれたんですか?」

「彼方様から待っておくように言いつけられましたので。湊様も帰る手段がないでしょう」

松本さんはにっこり笑われた。

「あ、ほんとだ。俺必死すぎて自分の荷物会社だった」

「さ、お乗りください。彼方様も心配されていますし、美晴様のご様子お伝えください」

松本さんの言葉に促され車に乗り込んだ。


今回の事で、医者の凄さと、シスコンの気持ちが少し分かった気がする。

今度彼方にみぃの体調不良を見破るコツを聞こうと思った。