「みぃ、ちょっと体温を計るね」

そう声を掛けてから、体温計を挟む。

ピピ、ピピ、ピピ

すぐに鳴り、抜き取って表示を見る。

37.9

んーやっぱりあるな……

俺の腕の中で踞るみぃは、見てるだけで辛そうだ……

みぃの辛さが少しでも和らぐように、そっと頭を撫でる。



暫くすると、車が停まった。

「到着いたしました」

「ありがとうごさいます。助かりました」

松本さんにお礼を言って、みぃを抱き抱えて降りる。

「いえ、美晴様の事よろしくお願いします」

松本さんは、俺にも頭を下げてくれる。  

「はい。日向の元に急ぎます」

松本さんを後にして、日向の元へ向かった。


「湊っ‼」

俺とみぃの姿を見つけた日向は声をかけてきた。

「日向、ごめん。俺側にいたんだけど」

「大丈夫、想定の範囲内だから。美晴、頼らなかったんだろ?いつものことだから」

日向はみぃから目線は離さないにしても、俺の事を責めたりはしなかった。

それどころか、想定の範囲内って……

みぃも、なかなか手を焼く存在なんだな

「湊、悪いけどここに乗せて欲しいんだ」

カラカラとストレッチャーを押してきた日向。

それに従い、俺はそっとみぃをストレッチャーに乗せた。