新の頭をそっと撫でる。

そう言えば、新がこんなに熱を出すのは久しぶりかもしれないなー。

有難い事に殆ど体調を崩すことなく大きくなってきた新。

風邪特有の体のだるさや、暑さには対応出来きれない。

まぁ、これが一般的なんだろうけどな……

どうしても子どもの頃のみぃを覚えているから、元気一杯で動き回る新も最初は不思議だった。

楽しいって体を動かして表現する新を見ると、みぃもこんなことしたかったんだろうな……って。

子育ては初めてだけど、年の離れた妹がいるお陰で、大抵のことは覚えていた。

成長の速さは子どもそれぞれだし比べないけれど、体調不良でぐったりする頻度は、全く違った。


みぃは小さい頃から痛いことを沢山頑張って来てたんだな……と元気な新を見ると思い返していた。






「ぱぱ、おはよー」

次の日には新は熱も下がりすっかり元気になっていた。


「新、おはよう。もうしんどくないか?」

「うんっ‼ おくすりがんばってのんで、たくさんねたからもうだいじょうぶっ‼」

「そっかー。葵の言ってたことちゃんと守れたんだな」

「うん、がんばったよー」

「頑張ったんだなぁ。偉いぞー」

新をぐっと抱き上げる。

「わぁい‼ぱぱもっとたかくしてしてー」


新のリクエストに応じて高い高いをする。

キャッキャッと嬉しそうに喜ぶよ新を見て、元気が一番だなと実感した……