「彩ー。新の熱上がってるから、病院連れていってくる」

「お熱上がったのね。私も行くわよ」

「新もその方が安心かもな。保険証とかよろしく」

「用意するから、少し待って」

彩はパタパタと部屋の中へ入っていった。

「新、お熱下がるようにお医者さんに診てもらおうな」

俺の言葉に小さく頷く新は、熱が上がってきているのかぐったりしている。

「お待たせ。あっくん、先生に診てもらおうね」

ベッドに横たわる新の頭をそっと撫でた彩。

子どもにとって、母親の存在って安心するんだよな……

「まま……ぼくがんばる」

いくら医者や看護師が頑張ったところで、母親には勝てないんだ。


俺は新をそっと抱き上げた。

一応チャイルドシートに座らせたけど、多分ぐずるだろうな……

彩は新の隣に座るようにしてくれてて、それを確認してから車を走らせた。



「……まま…………」

「あっくん、どうしたの?しんどい?」

「ままといっしょがいい」

そう言って彩に向かっててを伸ばす新。

「はいはい。今日は特別よ」

いつもはチャイルドシートにきちんと座らせているけど、体調悪いし仕方ないか……

とりあえず、病院まで急ごう。

少しすると病院が見えてきた。


「病院見えてきたからね」

彩の言葉に新はギュッと抱きついた。